怠け者は今日も眠る

-ディスポエマーの日常-

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「音楽が好きである」ということと「好きな音楽がある」ということには大きな隔たりがあると思っている。

「音楽が好きですか?」と聞かれて「嫌い」と答える人間はいない。

ほとんどの人が好きだと答えるし、悪くても全く聞かないし興味がないと言われるくらいだ。

しかし、その好きだという人に話を聞いてみると、自分が好きなのと同じように、同じオタクレベルで好きな人というのはそうそういないことに気付く。

大体みんな邦楽の、有名でわかりやすいものを挙げる。

ワンオクロック、ラッドウィンプスアレクサンドロス

実際良いバンドです。

 

例えば漫画にしてみたって、「漫画は好きですか?」と問われて「嫌い」と答える人間はいない。

だがしかし、多くの人は漫画好きだと言う割にワンピースと銀魂進撃の巨人ぐらいしか挙げてくれない。

実際面白い漫画です。

けれど、その都度それは「漫画が好き」なんじゃなくて、「好きな漫画がある」って言うんだよ。と僕は心の中で叫ぶわけだ。

 

この現象は、恐らく何か一つのコンテンツ属性をヲタクレベルで愛している人ならば一度は体験したことがあると思う。

だから古参やディープなファンが、新参を「にわか」とせせり笑うような案件が発生する。

本気で好きな人間は、調べるからだ。

好きになった対象を舐めるように、睨めるように情報を片っ端から洗う。

好きなミュージシャンができればインタビューをさらう。どんな音楽が好きなのかを調べてその彼、彼女、団体が愛したルーツを探る。

そのぐらいの気合いで愛している人が、何かを「好き」だと言うことと、軽くさらったライトなユーザーが言う「好き」にはとても大きな差がある。

その差に初めはがっかりし、その次に苛立ち、最後に諦める。きっとそんな体験をしている人は少なくないと思う。

 

 

例えばラーメンジャンキーで毎日食べ歩くような情熱のあるラーメン好きが、

「私もラーメン好きなんです〜」っていう人にどこのラーメンが好き?って聞いた時に、

一風堂」とか言われるとがっかりするわけですよ。

それは「好きなラーメンがある」って話であって、ラーメン全体を愛しているわけではないではないかと。

 

で、ここで一つ疑問が生まれる。

じゃあいつになったら「○○が好き」って言っていいの?

という疑問だ。

今日二日酔いの状態でセブンイレブンの冷凍つけ麺を食べていたところパッと閃いて天啓が降りた。

解答を発表したいと思う。

 

恐らく、ある一つのコンテンツ属性において複数ジャンルを好きな場合は、そのコンテンツ属性を好きだと言っていい。

 

え?何言ってるかわからないマジ卍?

わかりやすく説明すると、

 

ジャズとヒップホップが好きだって言えるなら音楽好きって言って良い。

ワンオクとアレクサンドロスが好きなら邦楽ロック好きって言って良い。

無罪モラトリアム勝訴ストリップが好きなら椎名林檎好きって言って良い。

正しい街と丸の内サディスティックが好きなら無罪モラトリアム好きって言って良い。

 

そういうことではないかと思っている。

ワンオクとアレクサンドロスを聴いてる人にスヌープドッグの話はわからないし、良さもきっと伝わらない。

だけど、音楽好きにはどちらもきっと話が伝わる。好きにはなれなくても、独自の着眼点で分析して感想を語れる。

正しい街と丸の内サディスティックしか知らない人と東京事変の話は出来ない。だけど無罪モラトリアムの話は出来る。

 

要するに集合Aの中の個体Bが好きな人は、「Bが好きなんであって、A全体を愛しているわけではない」という話だ。

 

多分これは何にでも当てはまる。

小説好きだと言うから好きな小説聞いてみたらハーレクインロマンスしか読んでなかった、だとがっかりだが、ハーレクインロマンスも読むけどハードSFも大好き、だと「おっコイツ独自のセンスで小説を愛してやがる」となる気がする。

 

二つ以上に手が伸びるというのは、十分に興味関心を持っている状態だと言えると思う。多分モチベーション的には十分に三つ目四つ目に手が伸びる。

しかしこの論で行くとワンピースと進撃の巨人が好きな人は漫画が好きということになるのか・・・少年漫画バトル系という括りであれば或いは・・・。

 

もちろん大きなコンテンツ属性を好きだと言える人にだって、中には好きでないものもある。

好みか好みじゃないかを判断出来るということが、ある意味ではその属性を愛していることに繋がるし、それだけ色んなものを通して自分なりの判断基準を磨いてきたことになる。

だから全てを好きである必要はない。

僕が音楽好きだからといって、ハードコアやメタルを好きである必要はない。

 

まあ別にこんな細かく考えなくても好きなものは好きって言えば良いとは思うんだけど。

ただ僕は何かにどっぷりハマったことのある人、何かに一生懸命な人が好きです。

言語非言語関係無しに、自分なりの視点を持ってる人が多いから。

 

まあつまりだ、何が言いたいかと言うと、全人類よオタクであれ、ということ。

かのちゃんこ増田もマネーの虎出演時に「オタク・イズ・ビューティフォー」と仰っている。

Boys be otaku, girls be otaku.

 

ちなみに音楽で言えばどうやって好きになるかっていうと、聴きまくることですね。

大して好きじゃないと思ってもめっちゃ聴いてれば結構好きになります。それで好きにならなかったとしても、特徴が自分にインプットされるんで他の音楽聴く時違いがわかるようになります。

 

これはビールにも言える。

よく「ビールのおいしさがわからない」っていう人がいますが、そういう人は多分味がわかるようになるほどビール飲んでない。

まずは一ヶ月週二回の休肝日を設けて同じ銘柄のビールを飲み続けるところから始めよう。

そして次の月は銘柄を変える。するとどうだろう。味の違いがわかるようになる。

するとどうだろう。どっちの方がうまいか好みが発生する。

これを繰り返していくと自分の中でビールの序列が出来る。

その中でも一番上だと感じるものが「うまい」のか、「幾分かマシ」なのかによって、あなたがビールが好きなのかがわかる。

何かを好きになるというのも、本来はこんなめんどくさい作業をしなければならないものなのだ。

物の違いがわかるようになるには比較と経験を繰り返すしかない、ってよく言うんだけど、その比較と経験をするのにストレスを伴わないものこそ胸を張って好きって言えるのかも。

 

僕は胸を張って音楽が好きです。

本日のおべんちゃらは以上。

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