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先日twitterで流れてきてどーーーーーーしても触れたくなったつぶやきがあったのでそれについて。
先に言っておきますが長いです。
が、気になる人にとっては有益なのではないかと思います。
無名のバンドマンがお金がないことを説明する、という旨。
バンドマンってやたら「金ねぇ」って言ってる人、多くないですか?バンドマンが金欠になるそのカラクリを書いてみました。
— 正田やすし🍣@ノービター (@nobitter_sun) January 7, 2019
全ての「まだ無名なバンド」を応援している人たちと、頑張っているバンドマン達に。届け!!!!!!! pic.twitter.com/SKg8SjeOQc
僕は基本的に世の中の音楽を作る人たち全てに幸せに生きて欲しいと思っています。
で、その幸せの形って本当に人それぞれだと思っていて、音楽だけで食っていくことがゴールなのか。それとも趣味で続けていきたいのか。
その軸と、好きなことをやるのか、誰かの欲求を満たすのか、という軸と、それ以外にも色んな要素が絡まって、でその中で自分が位置すれば幸せでいられる場所をそれぞれに目指して欲しいと思っています。
なので、この人の活動も当然応援しますし、頑張って欲しいと思っています。
その前提で以下の話をするということをまずご承知ください。
で、音楽を作って発信している人ならば、上で言った軸のどの座標にいたとしても、「誰かに聞いて喜んで欲しい」「あわよくばお金にしたい」という気持ちはあるはずで、それを自分の欲求の中で最大化したいはずなんですね。
特定のジャンルの人にものすごい好きと言って欲しいのか、色んな人に聞いて欲しいのか。色々あると思います。
それらをちゃんと言語化しているかいないかは人それぞれだけど、「とにかく頑張ろう!」という気持ちでやっているんだと思います。
その上で、一つ一つ、「これはもっとこうしたらいいんじゃないか?」と思ったことがたくさんあって、でも本人に直接言ったら失礼なんじゃないかと思って、でも誰かに聞いて欲しくて、今これを書いている次第です。
ということで本題なんですけど。
バンドマンがお金がかかるのはなぜかというのを、こちらの方はいくつかにまとめて伝えています。
簡略化して伝えますが曰く、
①毎週のスタジオ代。週1回スタジオに入れば月に2万はかかってしまう。
②音源のレコーディング代。どんなにケチっても30万はかかってしまう。
③プロモーション代。CDR100枚を4000¥で買ってレコード会社100社に送ればそれだけで2.4万。MVを5万で撮れば7.4万。SNSでバズらせるのは至難の技だし、バズってもその時宣伝出来るようなちゃんとしたMVが出来ていなければ困る。
④レコ発イベンド代。ちゃんと人を呼んでいいイベントにしたいので土日に開催したい。必然的にレンタル代が高くなり、準備にも気合が入るのでどうしてもお金がかかってしまう。
と仰っています。
僕は正直、これらの悩みはDTMを活用することと少し知恵を働かせることでほぼ全て解消出来ると考えます。
以下に説明します。
①スタジオ代について。
週1でスタジオに入る必要って実はないのでは?
ドラマーは仕方ないけど、バンドで使う楽器ってほとんど家で練習出来るものなので、それぞれのパートが毎日メトロノームに向かって、目瞑っててもパフォーマンスしてても完璧に弾けるくらいに練習しておけば、半分かそれ以下の回数に減らせるのではないかと思います。
バンドで合わせることにももちろん意味があるけど、それはライブ前に集中的にやれば良いのではないかと。
その分ドラマーの個人練習分をみんなで負担すればいいんじゃないでしょうか。
②音源のレコーディング代。
インディーズの無名バンドが、レコーディングスタジオで全てを録る必要ないのでは?
ちゃんと予算が出る状態で行うならわかるんですが、一番最初のバンドの音源なんて正直デモレベルでいいと思うんです。
その音が段々良くなっていくというのも応援する醍醐味のはずなので。
なので、思い切ってドラムは打ち込み、レコーディングも自分たちで宅録を活用するのがいいと思います。
ドラム以外のレコーディングは全てパソコンがあれば出来ます。
Macを元々持っていればlogic、あとはオーディオインターフェースを用意すれば、ギターや歌に関してはスタジオでマイクを借りて個人練料金で自分たちで録ればいいし、ベスはライン直でも全然大丈夫。
ドラムは残念ですが録音するのは時間とお金がかかるので、思い切って打ち込み用のソフト音源を買ってしまうのがいいでしょう。
BFDかAddictive Drumsが間違いないと思います。下手に録音するよりいい音がします。
すると多分全部合わせて10-15万くらいで出来るんじゃないかな?
ドラマーにしてみれば「ふざけんな」って思うかもしれないけど、やってみて欲しいと思うのは絶対損はしないから。
打ち込みを学ぶと絶対ドラムもうまくなります。
厳しいことを言うかもしれないけど、ドラムの録音費用が賄えないのはまだ求められていないからとも言えます。
「うちが予算出すからレコーディングしようよ」とどこかから声がかかっていない限り、それが今の自分たちの実力なわけだから。
だからと言って諦めて欲しくないし、限られた資源の中でもいいものを作って欲しい。
それが理由で「お金がいつもない」なんて嘆いて欲しくないんです。
あと曲さえよければ、音の質が多少悪くともわざわざCDを買う層やネットでディグってる層には伝わります。
とにかく作品を出しましょう。クオリティや迫力はライブで伝えれば良いと思います。
③プロモーション代。
これについてはいくつか論点があります。
まず、デモCDをレコード会社に送ることについて。
前提として、CDRは100枚で4000¥もしません。アマゾンで半額以下で買えます。
ケースが個別に欲しいのであればディスクユニオンや量販店で買えます。
そしてレコード会社にデモを送るとのことですが、それよりもネットを駆使するか、自分たちの音楽を質の高いものにする投資に使うべきなんじゃないかと僕は思います。
もちろんデモCDを募集しているレコード会社もたくさんあるし、その人たちは全部聞いていると思います。
ですが、僕の周囲で上に上がっていく人たちは、それよりもちゃんといい音楽を作ったり、自分たちが面白いと思うことを実践していく人たちです。
自分たちが面白い存在であって、音楽の実力があれば、向こう側から勝手に声をかけてきます。
レコード会社の人たちもゼロから人材を育てていく経済的余裕ももう無いはずなので、ネットでの募集以外は一旦デモを送るのはもうやめていいのでは無いかと思います(これはちょっと極論ですが)。
次に、MVの撮影費用について。
自分たちでiphoneで撮影編集すればお金はかかりません。
好きなロックバンドなんですが、The Cheseraseraと言うバンドがいます。
彼らのMVの中でもトップクラスにPVを稼いでいる曲はiphoneのみで撮影編集されているそうです。(確かTwitterで言ってましたが違ったらすみません)
The Cheserasera「最後の恋」Music Video - YouTube
これで5万は節約出来ます。
あとさらに言うと、ちゃんと実力があると「費用は出世払いでいいよ」と言ってくれる人も出てきます。
これはMVの話に限ったことではなく、レコスタとかエンジニアも結構ある話です。
「好きなものを作れればそれでいいから」と言う人は実は結構います。
だからいい音楽作るのが一番大事と言うのは、もはや前提の話ですね。
そして「SNSでバズらせるのは至難の技」。
これは確かにそうなんですが、何となく、これはチャレンジしたことのあまり無い人の発言だろうなと思ってしまいました。
SNSでバズるためには、ずっと続けることが一番大事です。
自分にあまり負担のかからないコンテンツを、息をするように毎日続ける。
それがバズへの一番の近道で、実は出来る人がとても少ない方法です。
「バズった後に宣伝出来るMVが必要」とのことですが、増えたフォロワーに対するさらなるアプローチの方が100倍大事です。
至難の技なのは前提ですぐに目が出る方法では無いので、何も言わずに地道にずっと続けるのが良いのではないでしょうか。
最後に④レコ発イベント代。
これに関してはとてもシンプルな発想で解決します。
共同企画にしましょう。
バンドで活動していればきっと仲の良いバンドがいるはずです。
理想はスプリットEP、でなくともお互いにいつまでに音源を作って、そのレコ発を一緒にやろうと言う話を先に取り付けます。
そして作品が出来始めたら、お店に相談しましょう。
何ならお店とも共同企画にすれば良いと思います。
そうすれば、最低でも必要経費が半分、下手すれば3分の1になります。
残ったお金で自分たちより有名で実力がありそうなバンドへのギャラを作って、出演交渉してみるのも良いかもしれません。
大体ざっと書いてきましたが、これだけで相当な経費節約になるんじゃないでしょうか。
色々反論もあると思うし、「そんな無責任な立場から出来るでしょ、とか言われても・・・」とか感じる方もいると思うんですよ。
わかります。
僕は押し付けるつもりとかないしみんな自分たちのペースでやるのが一番だと思います。
けど、お金が続かないから就職してバンドやめた、とか悲しいじゃないですか。
就職しててもバンド続けて欲しいし、バンドで食っていきたいならみんな成功して欲しい。
今って本当に生き方が多様になった時代で、誰だって考え方次第で自由に生きれると思う。
触れたことのない可能性に満ちた素晴らしい時代なんですよ。
みんなが好きなことをやって幸せに生きれることを、僕は願っていますよ。
で、出来ればそんな世界でみんながDTMをやるようになって、その中でネ申として君臨したい!!!!
あースッキリした。
まあ多分全然誰にも読まれないと思うけど。
本日のおべんちゃらは以上です。